
工場建設を検討する際は土地選びが重要です。しかし、好条件の土地が見つかっても、土地によっては工場の建設ができないケースもあるため注意が必要です。今回は、工場建設に最適な土地の選び方や土地の特徴に加え、土地選定のポイントについても解説します。工場建設を検討してる人、工場建設用の土地を探している人はぜひ参考にしてください。
工場建設に最適な土地の選び方
工場を建設するための土地を選定する際は、まずは用途地域と法規制を確認することが必要です。ここでは、工場建設に性的な土地の選び方として、用途地域と法規制について詳しく解説します。
工場の建設が可能な用途地域は8つ
そもそも用途地域とは、都市計画法に基づいて決定された土地の用途・建設可能な建物の種類について定めたものです。用途地域は全13種類あります。たとえば第一種低層住居専用地域は、低層住宅や小規模なお店、小中学校などを建てられる地域です。
工場の建設が可能な用途地域は、第一種住居専用地域、第二種住居専用地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域の8つとなります。
ただし、工場で行う作業内容や取扱製品により、さらに細かく建設可能な用途地域が定められている場合もあるため注意しましょう。たとえば、危険性が大きい・著しく環境を悪化させるおそれがある工場の場合、工業地域または工業専用地域でなければ建設できません。
工場建設に関する法規制
工場建設に関する法律には、民法、建築基準法、建設業法などがあります。また、都道府県や地方自治体の条例においても、工場建設に関する周辺住民への説明義務などが明記されているケースも少なくありません。
さらに、たとえ十分に広い敷地面積があっても、接道義務の関係から工場の建設が難しいこともあります。そのほかにも、工場建設はさまざまな法規制と密接に関係しているため、土地選びの際には最初に法律の観点から建設可否をチェックしましょう。
工場建設に不可欠な土地の特徴
用途地域や法規制の観点から工場建設が可能であると判断された場合、次に考えるべき点は立地条件です。工場の大きさや業務内容から土地に求められる条件を整理し、ひとつひとつのチェックポイントをていねいに確認しましょう。ここでは、工場建設に向いている土地の特徴や立地条件について詳しく解説します。
敷地の状況
工場建設用の土地を探す際は、敷地面積や敷地の高低差、境界、形状、権利関係などを確認しましょう。そして、建築計画通りの工場を建てられるかどうかを判断しましょう。
地歴
造成された土地である場合は切土・盛土のどちらであるか、過去に水害などが起こっていないか・起こりやすい土地でないかなど、地歴についても確認しておきましょう。さらに、最近では土壌汚染が問題視されているため、しっかりと調査が行われているかについても確認しておくのが賢明です。
道路の状況
工場を建てると仮定した場合に出入り口となる道路について、道幅や交通量、大型車での出入りがスムーズであるかどうかなどを確認しましょう。工場の稼働後はもちろん建築中にも車の出入りが頻繁となるため、道路の状況はとくに注意したい条件のひとつです。
土地の利便性
工場稼働後のスタッフの出勤のしやすさ、商品出荷時にスムーズに高速道路に移動できるかどうかなど、土地の利便性も重要です。そのため、工場での業務内容に合った条件が揃っているかを確認しておきましょう。
工場用地選定のポイント
工場用地を選定する際は、周辺環境やインフラ整備の状況にもこだわることが必要です。ここでは、チェックすべきポイントについて詳しく解説します。
周辺環境
工場での業務内容に合った土地であるかどうかを確認するため、電波障害の有無や線路からの振動・騒音、各種交通機関へのアクセスのしやすさ、物流環境、将来の都市計画など、候補地の周辺環境を調べておきましょう。また、日中と夜間との環境変化、四季の移り変わりによる変化などにも配慮することが重要です。
インフラ整備
電気・ガス・水道などのインフラについて、供給状況やレベルなどを確認しましょう。敷地・立地が好条件であっても、辺鄙な土地ではインフラ整備にコストがかかるケースもあります。
地盤
工場建設において、地盤は非常に重要な要素です。建物の沈下を防止するために必要な杭は支持地盤までの深さによって必要な長さ・工事コストが異なるため、埋設物調査とともに地盤調査も必ず実施しましょう。
まとめ
今回は、工場を建設するための最適な土地選びのポイントや土地の特徴などを詳しく解説しました。工場建設が可能な用途地域は8種類ありますが、業務内容によってはさらに建設可能な用途地域が絞られる場合もあります。また、工場建設に関する法規則にはさまざまな法律・規則があるため、地方自治体の条例も含めてしっかりと確認しておきましょう。工場建設の土地選びでは、敷地状況や地歴、道路の状況などもチェックする必要があります。そのほか、周辺環境やインフラ整備、地盤についても調べて土地を選定しましょう。とくに地盤は工場の建設費用にも直結する重要な要素であるため、埋設物調査とともに地盤調査も必ず実施してください。工場の建設を検討している人は、今回の記事をぜひ参考にしてください。